鎌沢休憩舎横から見る陣馬山
一ヶ月ぶりの山歩きはすっかり脚がなまっているので、「軽いとこ、軽いとこ」ってこういうコースになりました。中央線藤野駅からバスで15分ほど、鎌沢入口BSから集落の横を抜けて登山口に向かいます。
すっかり春めいて道の脇には春の花。心も軽く足取りも、って実はなかなかそうはいきません。ちょっと長い車道が結構急なんです。春の日差しの中では汗ばむほど。
ほら、ずいぶん登ってきたでしょう?
ここ藤野町佐野川地区は「にほんの里100選」の一つ。人の営みが育んだ美しい景観を守ろうという事業の一環で、神奈川県ではここと葉山の棚田が選ばれています。急斜面に張り付いた茶畑の緑と畝の描き出す美しいラインは茶農家の丹精のたまものです。
ところどころに扇風機。ふ~ん扇風機ね、なんて軽く撮ってきたけれど、え?扇風機?なんで?。気になって調べたら、これは「防霜ファン」といって茶の木を霜から守る大事な装置なんだそうです。空気を撹拌して地表に冷気が溜まらないようにする仕組み。
さて山道は春まだ浅く芽吹きはまだまだ、でも南向きの斜面はすっかり乾いて足元を気にせずに気持ちのいい山歩き。
このコースは昔から上野原、相模原と八王子や奥多摩方面を結んでいた大切な道です。
道の端には何ともほっこりする素朴なお顔の道祖神。重い荷を背負ってここを往来していた頃はこのやさしい(とぼけた)お顔にどんなに和まされたことでしょう。私たちも同じです。胸の前で合わせた手が3年前より少しぼんやりしてきたようで気がかりですが。
おや、富士山さん、今日もこんにちは。甘草水のベンチからは霞んでいても富士山や南アの悪沢・赤石の姿が望めました。お昼にはちょっと早め、でもお腹が空いてきたので、palletさんがあちこちカメラを向けている間にササッとおむすびを食べてしまいました。皮下脂肪が少ない分空腹も寒さも早めに対応することにしています(^^;
そのあと一登りで三国山です。武蔵、相模、甲斐三国の境をなすピークというか、峠というか。
ともかく開けていて気持ちがいいので、皆さんここでゆっくりお昼のようです。ちょうど12時。笹尾根の方からも何人かやってきました。そう言えば笹尾根もしばらくご無沙汰、今度は笹尾根かな。
少しだけ下って上り返すと生藤山(しょうとうさん)山頂で、そこでもザックを広げている人たちがいましたが、私たちはあっさり通過。
この生藤山からの下りは気をつけなくては。ここが凍っていたりグチャグチャで滑りそうだったらヤダなぁって気になっていたのですが、巻道があるので年を取ったら(もっとね)そちらを選べばいいわけ。
また登り返して茅丸山頂、1019m。palletさんによればここが今日のコースの最高点、その割には控えめ、しかし眺めはよろし。藤野の町がよく見えました。
そして、ここ、ここ。気持ちのいい枯葉の原っぱは寝転んで見上げれば、空に吸いこまれてしまいそう。palletさんがなんかぶつぶつ言ってます。「もう一本早いバスに乗れば…」「途中で軽くお腹を塞いでおけば…」そう、ここでお昼にできますね。
連行峰(連行山)の三叉路。山友達のsanpoさんが、生藤山より高くて立派なのに地図上では地味な扱いを受けているのを嘆いて(?)バリルートで攻めています。sanpoさんが登ってきた草木尾根はどこかな。
あの穴は? 何かの巣にしては縁が盛り上がっている、枝が折れて傷が治った痕??
それからもドンドコ歩いて山の神、和田BSへの分かれ道です。ところで私たちは今日はどこまで行くのでしょう? palletさんがバスの時刻を調べておいてくれたのですっかりお任せ、私は気楽に足を運んでいるだけ。
醍醐丸を巻いて通り過ぎ、和田峠でも切り上げず、とうとう陣馬山山頂までやってきました。頂上付近はかなりの泥んこでちょっと苦労、でもお目当てのけんちん汁が食べられて満足なり。もう15時を過ぎていてお茶屋は閉まってるかもって心配だったのです。う~ん、おしるこもいいなぁ…結局けんちん汁。
霞み気味ながら、今日歩いてきた尾根が左の連行峰からこちらに向かっているのがよくわかります。途中で左に流れるあの尾根がsanpoさんの草木尾根と鎌沢尾根かな。右へなだらかに続く稜線は万六尾根ですね。その向こうに御前山や大岳山が頭を覗かせています。連行峰の左肩には生藤山がちらりと。ここからも確かに生藤山より連行峰の方が立派。
下りは結局お気に入りの一ノ尾根にしました。下り始めこそそこを歩いた靴では電車に乗るのが憚られるような泥濘だったけれど、すぐに乾いた歩きやすい道になって、いつの間にか泥んこも取れてやれやれ。
あ~あ、途中の「こん気よく歩けば見える富士の山」の立札がとうとうこんなことになってしまいましたよ。去年2月の大雪のせいでしょうか。
それにしても「軽いとこ」と言いながら今日もよく歩きました。で、た・の・し・か・っ・た ♪
★ 今回もルートや時刻のデータは
palletさんのレポをご参考に
★ sanpoさんの連行峰攻略は
こちらから