4/4 (火)熊野古道を歩く ③ 中辺路・小雲取越え |
熊野詣でが盛んだった頃、京の貴族たちは大阪に出て紀伊路を取り、その後中辺路へ。そして本宮に参った後、熊野川を船で下って新宮の速玉大社に、そして那智大社を廻ってから、この中辺路の大雲取越え・小雲取越えで本宮に戻り、また来た道を田辺に戻っていくのが一般的だったようです。
今日はその小雲取越えルートを歩いてみます。
川湯からバスで神丸まで、そこで乗り換えてスタート地点の小和瀬へ。
左右も開けていて、時々枝越しに隣の山並みの見える明るいコースです。
この長塚節を始め斉藤茂吉とかみんなこの道を歩いたのかな。
今は気持ちのいい東屋が立っているので、ひとまず休憩。ちゃんと昨日道の駅で買っておいた桜餅でお茶。
地図ではこの石堂茶屋跡すぐ近くが小雲取山のはずなんですが、周りを見回しても分かりません。山レポとしてはピークを踏んでおきたいのに。
そこからしばらくで道は一度林道と交差します。
爽快爽快。この景色を眺めたくて今日の道を決めたんですよ。
ところで、熊野古道はフランスからピレネー山脈を越えてスペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラへ続く巡礼路と姉妹関係を結んだこともあって、ヨーロッパでもよく知られているようです。中でも田辺から本宮、そしてこの小雲取越えの中辺路コースが人気らしい。
この日出会ったのはみんな外国の人ばっかり。日本人には一人も会いませんでした。
その上、逆ルートばっかり。実は私もその方が前夜の川湯温泉から近いスタートができたけれど、帰りのバスの接続が不便で諦めたんですが。
皆さん、帰りはどうするの?
訊いてみたら小和瀬近くの小口自然の家に泊まるんですって。
それなら今日のコースタイムは6時間ほど。のんびりできるわけですよね。
ということで、このドイツから来た6人組は座り込んで日光浴をしたまま全然動きません。
中には大雲取越えと繋げて今日のうちに那智まで、なんて猛者もいたけれど。
伊勢路からくる万才(ばんぜ)峠への分岐を過ぎ、最後の茶屋跡を抜け、
セントウソウ? にトウゴクサバノオ? 葉っぱがビミョーに違うかも。それにここは西国なんだけど…ホント難しい。
この花びらが見慣れた大きさの大サクラ。
熊野古道歩きは最後にこんな光景に迎えられて嬉しいこと。ゆっくりお花見をしていきましょう。
5分ほど先の請川BSそばの食堂でうどんを食べながら新宮行のバスを待ちました。
★ 川湯0703-(新宮行@¥790)-神丸0730/0741-(小口行@¥430)
-小和瀬0753
★ 登山口0805-桜茶屋跡0930-石堂茶屋跡1030-百間ぐら1120/1140-
お花見場所1330/1350-下地橋BS1355
★ トイレ:小和瀬BS、林道交差点左100m、下地橋BS
★ 現地ではいろんな案内図が用意されていますが、山歩き用ではないので、
ちょっと調子が狂います。北が右だったり左だったり、かなりデフォルメ
されていたり。やはりちゃんとした地形図が頼りになると思いました。
★ 熊野三山二寺(本宮大社、速玉大社、那智大社、青岸渡寺、補陀落寺)を
廻るのには、できればレンタカーの利用が便利です。
公共交通は本数が少ないだけでなく、いささかややこしい。
JRのほかバス会社5つの8路線が一部重なって運行、しかもどこを経由する
かで停留所が別の場所だったり。接続も終点の一つ前で乗り換えないと時間
の余裕がない、なんて。
でも一応各社のHPはこちら。三山廻りのツァーもあるようです。
奈良交通、熊野交通、明光バス、龍神自動車、十津川村営バス
● 熊野古道を歩く ① 小辺路・果無峠越え
● 熊野古道を歩く ② 中辺路・本宮へ
【 オマケ 】
( 右下はお米 )
実はワタクシ、那智の浜には碁石の原料になる那智黒石が転がっているのだと思い込んでいました。碁石みたいに磨かれていなくてもね。で、小さいの拾って帰ろうと思ったら。違った。こんな小さな貝殻が打ち上げられた遠浅の砂浜でした。
と、これで本当におしまいです。お付き合いありがとうございました。
ちと惜しまれるね。
でも乗り込んで相客とお喋りなんかしてると、どこまで行ってしまうやら。
神丸から小和瀬へのバスでは、運転手さんと盛り上がってたら、急に停車して
「ところでお客さん、熊野古道行くんでしょ? ここで下りて下さい。」なんて言われちゃった。
それはともかく、山に行こうよ。